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日本のEC業界と中国EC参入のメリットと成功事例を解説

ECの事業戦略を考える上で日本市場だけを見ていて良いのか疑問になっている方もいるでしょう。
中国ECに注目して大きなシェアを獲得した成功事例も増えてきました。
日本ECと中国ECではどちらが魅力的なのでしょうか。
この記事では越境ECで中国をターゲットにするメリットと成功事例を詳しく解説します。

1.日本EC市場の現状と課題

日本ではEC市場が着実に拡大してきましたが、2020年になって頭打ちになる様相が示されています。
2013年に111,600億円規模だったBtoCビジネスのEC市場は年々拡大し、2019年には193,609億円に達しました。
しかし、2020年には192,779億円になり、830億円の減少が見られています。
分野別に見ると商品販売やデジタルメディアなどの分野では市場規模は増加していますが、旅行やチケットなどの分野で大きな減少が見られています。

2.中国EC市場に着目するメリット



中国EC市場は2019年に18,015億ドルだった市場規模が22,970億ドルまで成長しています。
中国ECは市場規模が世界トップで、2位の米国(2020年:7,945ドル)や日本(2020年:1,413億ドル)とは大差があります。
市場のニーズを的確に捉えれば大きなビジネスチャンスがあるのが中国EC市場です。

特に日本企業は中国ECで市場を獲得できる可能性が高い状況が続いています。
日本、中国、米国の越境EC市場の調査では、2020年における中国の日本からの購入額が19,499億円でした。
米国の日本からの購入額(9.727億円)と比較すると2倍もの差があります。
また、越境EC利用者の購入先に関する調査では、中国の利用者の間で日本が第1位(24%)になっています。
第2位のオーストラリア(13%)との差が大きく、日本製品は中国で高い地位を得ていることがわかります。

中国における越境ECでの日本製品の購入意向に関する調査では、2018年に65.7%が購入経験ありと回答していました。
さらに購入経験がないと回答した人についても66.1%が今後の購入意欲を示しています。
2017年の調査では購入経験がない人のうち41.4%しか購入意欲を示していなかったことから、日本製品の人気が上昇していることがわかります。
中国EC市場は日本企業にとって進出のチャンスが到来していると言えるでしょう。

3.中国EC市場の成功事例

中国EC市場に進出した成功事例として株式会社ファンケルによるサプリメントの販売が挙げられます。
ファンケルは2017年に中国国際医薬衛生有限公司と販売代理店契約の締結後、2018年から中国での越境EC事業も並行して進めてきました。
巨大モールTmall Globalで「年代別サプリメント」を中心とするサプリメントの販売によって20億円の売上高を記録しています。
2021年にはライブコマースも開始し、WeChatミニプログラムの並行運用、さらにJDやDouyinにもECを拡大しました。
ファンケルではブランドの認知度が向上したことを受けて、2022年から化粧品事業の中国ECへの展開を進めています。
JETROの主催する中国国際輸入博覧会には初年度から連続でブース出展し、EC市場進出をきっかけにして中国での市場拡大を進めている成功事例です。

4.中国EC市場の参入しやすさ

前項「3. 中国EC市場の成功事例」で紹介したファンケルの成功事例では、主に中国ECの市場参入しやすさに着目していました。
中国では生活習慣病が日本以上に大きな社会課題となっていて、サプリメントによる健康増進が進められていました。
ファンケルは参入障壁が低い分野を狙って中国EC市場に進出したことにより成功したと言えます。

また、中国EC市場ではマーケティングの展開が容易です。
ECではインフルエンサーマーケティング、WeChatミニプログラム、ライブコマースがよく活用されています。
ファンケルはWeChatミニプログラム、ライブコマースも活用して中国EC市場の拡大に成功しました。
KOLによるインフルエンサーマーケティングでは2020年時点で約3,000億元のEC市場規模があります。
WeChatミニプログラムのユーザーは約4億人に達し、新しいEC市場として注目されるようになりました。
ライブコマースは2020年の10.5兆元、2021年には19.95兆元に市場が成長し、2020年末時点で3億8,800万人ものユーザーが利用しています。
中国EC市場に参入するときには多角的なアプローチが可能です。
消費行動が活発になっている影響もあって、販売したい製品やブランドに合ったマーケティング戦略を立てやすい状況があります。
中国ECの展開をするチャンスが到来していると言えるでしょう。

5.まとめ

中国EC市場は世界トップ規模で、日本製品の注目度が伸びている状況があります。
EC市場に着目するなら、中国EC市場を開拓する今のチャンスを逃さないようにしましょう。ここで紹介した以外にも成功事例は多数あります。
成功事例を参考にしながら、中国EC事業を進めたいとお考えの場合、中国大手のソーシャルECプラットフォーマーYouzan(有賛)の日本法人として設立された弊社Youzan Japanにご相談ください。
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記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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