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中国の90年代前半生まれの高所得者の特徴とは?

中国では新富裕層と呼ばれる新社会人程度の年齢で高収入を得ている人たちが増加しています。
若くして消費力がある新富裕層はどのような特徴のある生活を送っているのでしょうか。
中国の大手調査研究期間Mob研究院では新富裕層の調査を実施した結果を報告しています。
中国市場でマーケティングをする上で重要な示唆になるので詳細を見てみましょう。

■調査の概要
Mob研究院による調査は以下の要領で2022年6月に実施されました。

研究内容:人物像、行為(行動様式)、生活(仕事を含む)の3つの観点から若い高収入層の特徴を考察すること
調査対象:1990~1994年生まれで月収2万元(約40万円)以上の男女500人

研究目的は社会人になって間もない新人なのに高所得者になっている人たちが優れている点や特徴を明らかにすることです。
中国では若くして高消費力を持つ新富裕層として注目されているため、実態を明らかにするための調査がおこなわれました。
この調査結果ではTGI(Target Group Index)が用いられている場合があります。
TGIは中国でよく用いられているユーザー関心度を示す指標です。
以下では調査結果についてMob研究員による3つの分類に基づいて、中国で高収入を得ている若年層の特徴を解説します。

1.中国で高収入若年層の人物像

Mob研究院による調査報告では、性別や仕事、消費様式について調査をした結果をまとめています。
中国で高収入を得ている若年層に対する調査結果では、男性が72.2%、女性が27.8%で、このうち既婚者が91.4%を占めていました。
学歴では大卒以上の学歴が80.7%、その中で修士・博士の学位を持つ人は8.3%になっています。
大卒程度の学歴を持ち、結婚している男性が高収入層の中心になっていることがわかります。
また、若い高収入層では家の所有率が86.1%、車の所有率が57.7%です。
中国では持ち家率が高いですが、70%強程度です。
中国の車の所有台数は多いものの、人口も多いので所有率では18%程度になっています。
高収入の若年層は家や車を所有している傾向が強いことがわかります。
この他の調査項目では以下のようにTGIによる分析が行われています。
電気自動車などの新エネルギー車の利用者が多く、出張やネットショッピングによる消費活動が盛んなことがわかる結果です。

新エネルギー車を所有:728
頻繁に出張をする:576
ネットショッピングをよく利用する:496
資産運用に気を遣う:478
妊活をしている:424
家のリノベーション経験がある:424
物件に注目している:423
映画が好き:417
株式投資をしている:392
複数のクレジットカードを所持している:386
スポーツが好き:378
仮想通貨投資の経験がある:365
子どもがいる:347
旅行が好き:346

高収入層の職業はTGIに基づいて以下のように分布しています。
中国で給与水準が高い業種で働いている人が多いことがわかります。

金融:295
IT・インターネット関連:251
不動産:226
メディア関係:217
医療系従事者:210
消費製造業:168

高収入層の職場は一線都市が27.2%、新一線都市が38.6%を占めているのも特徴です。
これは中国の「第一財経」によって行われている生活水準や商業規模などについての各都市のランク付けで、一線都市、新一線都市、二線都市、三線都市という順位が付けられています。
一線都市は北京市や上海市など、新一線都市は成都市、重慶市、西安市、天津市、青島市などで、中国の中心地で活躍していることがわかります。

2.高収入若年層の行動様式の特徴



中国の高収入層の行動様式についてはアプリの活用という視点から調査が行われました。
新富裕層が使っているアプリのランキングは以下のようになっています。

1位:ファミリー向け (217人)
2位:自動車サービス(183人)
3位:運動・健康関連 (169人)
4位:スマートデバイス関連(155人)
5位:総合資料や情報(150人)

ファミリー向けのアプリでは子育てアプリの「育学園」が情報の収集やシェアに活用されています。
自動車サービスでは電気自動車「Tesla」のアプリ、運動・健康関連ではスキーアプリの「滑呗」が人気です。

3.高収入若年層の生活の特徴

中国の高収入若年層の収入や仕事、資産運用といった生活全般についても調査が行われています。
主な収入源は給与ですが、男女を問わず6割以上が投資や資産運用、およそ3割が副業による収入を得ています。
資産運用では男性はリスクの高い株式投資をする傾向がある一方、女性は堅実な定期貯金や銀行での運用をしている傾向があります。
副業では男性がセルフメディア系が多いのに対して、女性からは生活関連サービスが選ばれているのが特徴です。
ライブ配信型ネット販売や「滴滴」による配車サービス、「美団」によるフードデリバリーサービスなども男女を問わずに人気があります。

生活支出項目についての調査では以下のように飲食や交通だけでなくファッションやコスメなどで消費していることが明らかにされました。

飲食:67.6%
交通:55.5%
服装:53.3%
コスメ・化粧品:44.7%
美容・トレーニング:39.5%
旅行:39.1%
育児:36.3%
親孝行:35.5%
ファッションアイテム:34.2%
電子デバイス:33.5%
娯楽:32.8%
医療保険:29.5%
勉強や教育:23.4%
ペット:13.9%
恋愛:10.4%

仕事についての満足度調査では、仕事に満足している人もいる一方、不満を抱えている人もいることが以下のように示されました。

仕事に満足している理由

仕事に興味がある・その分野が好き
給料が高く福利厚生制度がいい
昇進機会があり、伸び代がある
大きい会社だから
仕事環境や会社の雰囲気が良いから
有益なことを学べる

仕事に不満を感じている理由

「内巻」がひどく、競争が激しい
仕事量が多く残業が多い
オフの時間も仕事をしないといけない
業界の未来に不安を抱いている

仕事に満足している声もある一方、内巻による不満を述べている人も4割を占めています。
内巻とは非合理的な内部闘争のことで、無駄な内部での争いや風潮の登場によって発展が阻害される状況を指します。
残業問題は特に切実で、76.9%が「たまに残業する」、15.4%が「よく残業する」と回答していて、過酷な労働環境で働いている人が多いのが実情です。

4.まとめ

中国では90年代前半に生まれた若い世代が富裕層として消費活動を活発に行っています。
仕事に精を出して得られた収入を、飲食やファッション、旅行などで積極的に消費しているのが高収入若年層の特徴です。
中国では新しい消費活動のあり方が生まれているため、市場獲得をするチャンスになっています。

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記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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