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中国マーケットへの参入メリットとは?成功のポイントと事例をご紹介

中国は2021年に世界貿易機関(WTO)に加入して以来、常に公平・公正および平等・互恵の原則を堅持し、世界各国と良好な経済貿易協力を維持してきました。
ここ数年は自国経済の急速な発展に伴って、中国は国際貿易の中で重要な役割を果たし、ますます大きな力を発揮しています。
今や多くの国が緊密な経済貿易関係を保ち、中国を重要なパートナーとみなし、中国の市場に対して十分な信頼を抱いていることは確固たる事実となっています。
米国を含む外資系企業にとって、中国は公平・透明で予測可能な市場環境を備えており、極めて強く引きつける魅力を持つ人気の投資先と言えるでしょう。
この記事では、そのような中国マーケットに新規で参入するメリット、そして成功するポイントと成功事例を紹介します。

中国経済事情と中国マーケットへの参入メリット

経済の発展が著しい中国において特筆すべきはデジタル分野です。
そのデジタル分野の経済規模は、2020年には39兆2,000億元(約705兆円)にも上ります。
中国におけるデジタル分野は経済成長を安定させる重要な原動力となり、これがデジタル経済における雇用規模の急速な拡大をもたらしており、デジタル分野の求人ポストの占める割合が、求人数全体の24,2%を占めたといいます。
デジタル経済は新たな雇用機会を生み出し、新技術の応用により生産効率が向上しました。
また、労働者の収入と製品の市場ニーズが増加し、そのことによって企業の労働力ニーズが拡大する好循環となっています。

発展著しい中国市場に参入するメリットについて、まずは「極めて大きな消費のポテンシャル」が挙げられます。
中国国内には巨大な消費市場、質の高い消費ニーズがあり、多くの外資系企業が誘致され中国での発展を目指しています。
現在、中国では国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国際的な循環「双循環」が互いに促進しあう新たな発展構造の構築を加速させており、極めて大きな市場の魅力がさらに顕在化していくことが予測されます。
また、整った産業チェーンも魅力の一つです。
突如発生した新型コロナウイルス感染症に直面しましたが、危機をチャンスに変えて経済構造を積極的に調整し、産業チェーンとサプライチェーンの改善を続けました。
その結果、リスクを予防する能力と危機に対応する力を大幅に引き上げました。
もう一つ注目すべき点は、近年のEC(電子商取引)業界の規模拡大です。
2017年の中国の業種別の実質GDP成長率を見ると、情報通信・情報技術サービスが26,0%増と突出して高い成長を遂げています。
そうした中、消費者向けインターネットサービスは多岐にわたりますが、旅行予約・料理の出前・配車サービス・金融関係などの利用者数は特に伸びが高く、2021年における中国の電子商取引規模は全世界のシェアの52,1%を占め、かつてトップ米国を凌ぎ世界1位となっています。
そして中国マーケット参入の最大のメリットは、中国の消費者が日本製品に対する「安全・安心」という大きな信頼を寄せている点です。
新型コロナウイルス出現前に日本において、中国人観光客が高額な電気製品から日用品に至るまで、さまざまな商品を大量に購入する様子を「爆買い」と称してメディアが報じていました。
EC業界においても例外ではなく、中国消費者の越境ECを利用した日本製品の購入額も急速に拡大し、2020年には1兆9,499億円(前年比17.8%増)にも達しました。
このように中国の市場は国際的に信頼されているうえ広く開放されており、さらに好景気の中国消費者の購買意欲が旺盛であることを踏まえると、参入するメリットは大いにあると言えるでしょう。

中国市場での成功を目指すならEC参入がオススメ


中国へ進出する日本企業は、2010年以来1万社を超えているデータもあり、その後も対中進出意欲の高まりを見せています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による主要都市のロックダウンが原因で、2020年には940社が撤退するなど減少傾向が見られました。
そこでここでは、中国にオフィスや実店舗を構える必要がある業界ではなく、先に紹介したオンライン上でビジネスが行えるEC業界への参入に焦点を当て解説していきます。
まず、そもそも中国でのEC参入にはどのような方法があるのでしょうか。
ECサイトを展開する方法はいくつかありますが、もちろんそれぞれにメリットとデメリットが存在します。
たとえば、自社サイトを立ち上げれば、ランニングコストも抑えつつ自社ブランドを確立できる可能性もあります。
しかし、現時点であまり知名度がない商品(サービス)の場合、結局は商品認知や集客に時間かかり、多額のコストがかかります。
さらに中国でWebサイトを公開するためには、「ICP(Internet Content Provider)」というライセンスが必要であり、外資がこの免許を取得するのは極めて困難だと言われています。

一方で、中国に既存のECモールに出店するという方法もあります。
中国のEC市場におけるトップ3は「アリババグループ」「京東グループ」「ピンドゥドゥ」です。
とりわけアリババグループは、中国のEC市場で半数のシェアを誇っています。
こうしたモールに参入することになると、中国市場での集客が不要というメリットがあります。
すでに認知度が高いサービスに乗って展開する形になるため、日本でのAmazonや楽天市場のように初期の段階から集客を見込めます。
ただし、出店するモールの厳しい審査をクリアする必要があるほか、初期費用や月額費用が高くなる場合もあります。
また、近年では中国版LINEと言われるWeChatというアプリによる出店も可能です。

WeChatは、スマートフォンを持つ中国人であれば必ず利用していると言われるほど、中国ではメジャーな国民的アプリです。
WeChatの中で「WeChatミニプログラム」という機能を使うだけで、比較的簡単に越境ECに参入できます。
しかし、多くのユーザーが利用していると同時に出店数も多いため、やはり知名度がない商品やブランドは集客が難しいと言われています。
このように参入方法にあたっては、自社が扱う商品(サービス)の特性と市場での優位性を見極め、中国の消費者が何を日本に求めているのかを知っておく必要があると言えるでしょう。

さて、中国における消費ポテンシャルが高いことは先に述べました。
仮に今、菓子類や医薬品などの売れ筋商品とは異なるニッチな商品であったとしても、「優れているもの、美しいもの」を「Made in Japan」から探している中国の消費者もいます。
事実、日本特有の伝統工芸品や民芸品が高額な取引で行われたケースもあります。
繰り返しますが、中国は経済発展に向けて自国市場の門戸を大きく開き、イノベーションを追及しています。
「爆買い」してもらえる実績のある商品に便乗するだけでは成功には結びつかないでしょう。
日本が誇れる技術で作られた「貴重な一品」を売り込むスタンスが、成功への近道と言えます。

中国マーケット参入の成功事例

それでは近年、日本企業が中国のECに参入し成功した事例を紹介していきます。

FANCL(ファンケル)

日本でも無添加で有名な化粧品ブランド「ファンケル」は、2018年に初めて中国ECに参入し、天猫国際(アリババグループ)を通じサプリメントの販売を手掛けています。
「肌につけるもの」「口に入れるもの」にこだわりたい中国の消費者に絶大な人気があり、今もなお販売実績拡大中です。

資生堂

資生堂は中国でも人気のコスメブランドで、中国大手EC「淘宝網(タオバオ)」で公式出店しています。
淘宝網はアジア最大級のECサイトで、利用者は5億人を超え、出品数は8億品以上と公表されています。
天猫国際と同じくアリババグループですが、インフルエンサーを活用しニーズに合った動画配信による販路拡大が功を奏し、2020年時点の中国市場だけで2358億400万円の売り上げを達成しました。

まとめ

中国マーケットへの参入メリットや成功するポイントについて解説しました。
中国の巨大なマーケットに新規参入する際、後発組が先駆者と同じことをやることですぐに成果を出すことは難しいと言わざるを得ません。
自社のカラーを守りつつ、ユーザーのニーズを模索することが成約への最短距離と言えます。
「越境ECに進出したいがノウハウがわからない」「すでに中国ECに参入したが成果が表れない」などの課題がある場合、ぜひ一度Youzan Japanにご相談ください。
中国経済に詳しく、さらにマーケティング事情に精通した専門スタッフが、御社の中国マーケットへの参入、そして成功するまでの全過程を全面サポートさせていただきます。

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本気で中国進出を目指す企業様のパートナーとして、
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記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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