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顧客からリピート率を向上させる「カスタマーサービス運用」の重要性

顧客獲得の集客コストについては、新規客に比べ既存客のほうが低い傾向があります。
また、新規客を見つけるよりも既存客を確保した方が、効率的な集客が可能になります。
そこで非常にポイントとなるのが「カスタマーサービス」になります。
本記事では「カスタマーサービスの運用」が非常に重要なポイント、口コミレビューにより集客効率化に繋がる「KOC」について、解説していきます。

カスタマーサービス運用が重要な理由

カスタマーサービスとは

カスタマーサービスとは、顧客の購買習慣、消費嗜好などを分析し、顧客の購買行動の状況に応じてリピート購入を促進する運営手法です。

さらに、タイムリーな顧客のフィードバックを受けることによって、自社の製品やサービスを改善し続けることができます。
良質なカスタマーサービスの提供により、既存客が身近な人にも推薦する可能性があり、新規客獲得にも繋がります。

カスタマーサービスから得られる顧客データを活用することで、顧客との信頼関係を築くことができ、顧客の減少や利益の増大にも直結させることができます。

なぜ、カスタマーサービスは重要なのか

顧客のニーズを徹底的に理解することで、リピート率の高い製品やサービスの提供ができ、利益を増加できます。

また、製品やサービスへの愛着感が高まればリピート購入につながり、さらに Youzanのミニプログラム会員になってもらえることで次なるリピートにつながります。

2021年Youzan第1~3四半期の統計によると、Youzanのミニプログラム会員のリピート回数は7回で、リピート率は平均45%に達しました。
また、Youzanの他の調査によれば、同じ店舗の異なる商品の購買データを集計したところ、消費者は信頼できる店舗で異なる種類の商品を購入したいことが分かりました。
たとえば、アパレル消費者の約7割が同じブランドでの消費を考えていました。

特定のブランドに対して愛着度が高い顧客は、信頼できる企業やブランドの商品を買い続ける傾向があり、すべての商品ラインナップに利益をもたらせるとともに、自らの顧客満足度も上げます。
このようにカスタマーサービスは、1回の購買からリピーターに転換させ、さらには新規客も連れて来てくれるという非常に重要な運営手法なのです。

顧客からKOCになってもらう


KOCの意味と効果

KOC(Key Opinion Consumer)とは、インフルエンサーよりは専門的知識はないものの、口コミなどを発信することによってマーケットに影響を及ぼす消費者を指します。
KOCになるということは、店舗から金銭的・精神的インセンティブを得ているかどうかに関わらず、高い愛着精神から積極的に店舗の情報やキャンペーンを共有してくれます。
これにより、新規客へのアクセスが増えるだけではなく、全体的なマーケティングコストを下げることも実現できるのです。

具体的な方法として、記事や動画、ライブなどの配信を利用し、ターゲット客との間に「興味を持つ同士のつながり」を作り続けます。

その中でフォロワーを最初の顧客にすることが第一歩であり、その後カスタマーサービスを続けることでロイヤルカスタマーとなり、最終的にはKOCとなりブランドを広める存在となります。

市場での商品競争力を向上させる

商品の販売後においても、品質の高いアフターフォローを行うことにより、リピート販売を促します。

このプロセスでは、商品の市場での競争力を高めることができます。

この購入後のプロセスは、市場での競争力を高めるための重要なプロセスであり、綿密なカスタマー戦略を練る必要があります。
そのカスタマー戦略を成功させる具体的な方法について、以下に説明していきます。

顧客のニーズを深く洞察

カスタマー運営の第一歩は、初回の購買客を会員に転換することです。
カスタマーサービスの第一歩は、初回の購買客との信頼関係を築き、Youzanのミニプログラムの会員に転換させることです。
顧客とブランド間に信頼関係が確立されることで、大半の顧客が会員登録をします。
そして、会員は様々なイベントを通じて、ブランドに対する感覚と認知度を向上、愛着度を高めます。

Youzanのミニプログラムの会員に転換させるプロセスでは、いつでも会員にアプローチできるように、メッセージテンプレート、カスタマーサービスのメッセージ、AIツールなどを活用します。
これにより、顧客とブランドの間に「信頼関係」を築くことができるため、リピート購入につながるとともに、顧客としての価値も上がり、企業の資産となるのです。

顧客タイプの細分化

カスタマー運営には、まず顧客セグメントを細分化し、それぞれの顧客の消費行動や嗜好を追跡することで、顧客のプロフィールをより具体的に把握できます。
カスタマーサービスでは、まず顧客の購買行動に応じてタイプを細分化します。
それぞれの顧客の消費行動や嗜好を追跡することで、顧客の情報をより具体的に把握できます。

顧客の情報を把握したうえで、顧客にタグを付けます。
たとえば、OL、新米ママ、中年男性、大都市の中学生などのタグを付けます。
タグを付けて管理することで、購入の頻度、お気に入りの商品タイプ、クーポンの利用状況などの消費習慣を区別し、今後の消費行動を予測します。
タグで顧客のタイプを細分化することで、顧客にとって魅力があるマーケティングプランを作成することができます。
ニーズを満たす商品やサービスをタイムリーに顧客に提示することで、継続的に消費へ転換することができます。

顧客の購入可能性のある期間の管理

顧客獲得コストが上昇し続ける中、新規客の獲得と持続的な顧客の価値、すなわちLTVマネジメント(Life Time Value:長期的な顧客価値)を重視するようになりました。
LTVの向上には、客単価の向上、リピート率の向上などが含まれ、最終的にはブランド価値の向上につながります。
そのためには、カスタマーサービスがLTVを向上させる重要なポイントとなります。

LTVの計算方法は次のとおりです。

LTV(長期的な顧客価値) =平均顧客単価×年間購入回数 × 顧客継続年数※

※商品を購入する顧客として継続する年数

顧客継続年数の管理の中で、店舗側がやらないといけないことは、「ファン化」→「顧客化」→「会員化」→「リピーター化」を実現することです。

顧客価値を向上させるプロセス

「ファン」から「リピーター」までに転換するプロセスは単純ではありません。
まず、コンテンツを継続的に配信することでファンとの信頼性を強化します。
そして、クーポンを発行することで注文を促し、初回の顧客へ転換させます。

次に、優れた商品や付属サービスを通じて、顧客の消費体験(満足度)を向上させます。
続いて、多種多様な会員限定のサービスを提示し、顧客の会員化を図ります。
店舗は継続的に会員の満足度を上げるため、様々な形でアプローチを続けることによりブランドへの信頼度が高まります。

そして、金銭的・精神的インセンティブの有無に関わらず、製品への愛着度の高い顧客が店舗情報や営業活動を共有してくれるようになり、良質な口コミレビューを拡散するKOCになるのです。

しかし、このプロセスには以下のようなポイントが大切であることを覚えておきましょう。

・顧客のタイプ別のタグ作成
・リピーターの管理計画の構築
・顧客の LTVマネジメント(長期的な顧客価値)にマッチしたマーケティング戦略の構築と運用の自動化
・マーケティングシナリオに基づいた顧客マップの作成
・効果的な顧客コミュニティシステムの構築
・顧客の愛着度合いの把握と体系化

顧客をKOCにするためには

カスタマーサービスは、継続的なプロセスの運用が必要であり、最終的には顧客を良質なレビューを行い、ファンを拡散させるKOCにすることです。
このプロセスは以下の3つのステップで進めていきます。

(1)消費体験を強化、基礎認知を整理

方法:無料お試し
効果:直感的な消費体験を構築、顧客にブランドを認知させます。

(2)ロイヤルカスタマー(高価値顧客)を正確に特定

方法:価値の高い顧客を見つけ、集中的なアプローチを実施
ロイヤルカスタマーの特徴:ブランド・アイデンティティが強く、社会的影響力も強い傾向にあります。

(3)ロイヤルカスタマーのアイデンティティを強化

方法:より高い地位、より多くの特権、より高いレベルの物質的なインセンティブを付与
効果:顧客の心理的な満足度を体現、優越性をアピールできます。

以上の3つのステップを完成すれば、顧客はブランド価値を高めるKOCのになってくれたと言えるでしょう。

KOCは、積極的にリピートと情報のシェアを行う傾向があります。
さらに、クーポンや共同購入などのマーケティングツールを活用することでシェアが拡大します。
アフィリエイト機能を活用することで多彩なインセンティブを付与します。
それらのインセンティブと愛着度を有効に活用することで、継続的に業績を伸ばすことができます。
このプロセスにおいても、以下のような仕組みが必要です。

・良質な口コミレビューを得るために、期待された以上の商品やサービス体験を提供する
・店舗のデータベースを活用した継続的な顧客ニーズの管理を行う。
・継続的にシェア拡散キャンペーンを設ける。
・様々なインセンティブで顧客価値が向上しているかについて把握できる体系を構築する。

まとめ

この記事では、顧客に継続的にリピートしてもらい、業績を向上させる「カスタマーサービスの運用」が非常に重要であることについて解説しました。
どのプロセスにおいても、「販売して完了」ではなく、継続的に顧客に寄り添うことが不可欠です。
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記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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