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中国ECモールとYouzanソーシャルECとの違いについて解説

ユニコーン企業と呼ばれる「企業評価額が10億ドル以上」「設立から10年以内」「非上場企業」「テクノロジー企業」の4つの条件を満たしている企業数は、世界で1,404社(2022年9月時点)あります。
そのうち半数以上の716社を有する米国が1位であり、第2位の中国も254社で20%近くを占めています。
トップ産業を見ても、ソフトウェアやインターネットサービスなどが上位を占め、ITの進歩が要因と考えられます。
中国企業の特徴も例外ではなく、近年のIT技術の発展により、ネット金融・決済サービス・タクシー配車サービス・クーポン発行サービスなどが際立っています。
こうしたインターネットを活用した消費者向けのサービスが増えていく中で、本記事では中国における従来型のECモールとYouzanが提供するソーシャルECとの違いを解説します。

モール型ECメリットと種類とは

高い集客力

アリババが提供するTmall(天猫)はショッピングモール型のBtoCに対応したECサイトです。
日本ではAmazonや楽天といったモール型ECが有名ですが、モール型ECの特筆すべきメリットはその集客力です。
ユーザーは「〇〇が欲しい」と思ったときに「どこの店で買おうか」と探します。
TmallやJD(海囤全球)といった巨大モール型ECであれば、圧倒的な店舗数と商品数の中からユーザーはお気に入りの商品を見つけ出せるでしょう。
そういったユーザーが多く訪問するモール型ECへの出店においては、自社サイトであらゆる広告施策を実施して集客を行うのと比べ、効率的な集客効果を得ることができます。

モール型ECの種類と特徴

モール型ECには「テナント型」と「マーケットプレイス型」があり、先に紹介した楽天はテナント型にあたります。
実際の運営方法も現実のテナントと酷似しています。
モール側はスペースを提供するだけで、商品の登録や受注管理、売り上げ計上といった実務はあくまで出店した企業側が行います。

一方のAmazonはマーケットプレイス型にあたります。
テナント型が「出店」というイメージで運用するのに対し、こちらは「出品」という形をとるので、店舗というイメージとは異なるのが大きな特徴です。
たとえるなら、道の駅のように1つの施設の中で、たくさんの農家が出品した野菜が並べてあるといったイメージです。
マーケットプレイス型はモール側が商品を管理し、受注すると出品者側に商品データと購入したユーザー情報が送られ、それにしたがって発送作業に入ることとなります。
しかし、モール型ECにもデメリットもあります。
1つはモール型ECへの出店や出品に対する手数料です。
すでに集客力があるモール型ECへの出店については、販売や集客の効率化を図るためのこれらの手数料が発生します。
さらにモール型のECではブランド力が育ちづらいという欠点もあります。
先にモール型ECは集客力が利点と述べましたが、それはユーザーがあくまで「Tmall」や「JD」というブランドを求めて訪れているというのが理由です。
つまり、ユーザーにとっては買いたいものを探しやすいのに対し、出店、または出品する企業側から見れば、多くの店舗数と商品数に自社製品のブランド力が埋もれてしまう可能性があります。

中国EC動向の移り変わり


経済産業省が2022年8月に公表した「令和4年(2021年度)電子商取引に関する市場報告書」によると、2021年の中国におけるEC市場規模は2兆4,886億USドルとなっており、前年比17,4%の増加と推計されています。

参考資料:経済産業省「令和4年電子商取引に関する市場報告書」
https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf

今後も同市場は拡大傾向にあるとされ、2025年度には3兆6,159億USドルにまで伸びると想定されています。
18歳~24歳が19%、25歳~34歳が34%、35歳~44歳が21%となっており、以前から若年層にウエイトがあったのも確かですが、55歳~64歳の年齢層では10%以下に低下し、65歳以上に至っては1%未満と中高年齢層離れが窺えます。
また、越境EC利用時のデバイスに関しても、スマートフォンでの購入96%、ノートパソコンでの購入47%(複数回答)となっており、これもまた若年層がマーケットの主流になっていることを裏付けています。

さらに普及傾向にあった電子マネーやクレジットカードですが、ECの決済方法にもキャッシュレスがほぼ定着したと言っていいでしょう。
そして注目すべきは、EC利用者による商品の見つけ方です。
アイテムの特徴やブランドを自分で検索して、商品を見つけるユーザーも依然多いのですが、「SNS及びリンク先」や「友人や家族の勧め」といった、いわゆる「口コミ」による割合が5割近くを占めていることは注目すべき点です。
偽造品や誇大広告などが蔓延している中で、中国の若者ユーザーはサイトで商品情報を確認するよりも、SNS上の多数の人の意見、または信頼できる友人や家族からの推薦を重視する傾向にあると、この報告書では見解を示しています。

YouzanソーシャルECの特徴とは

前項でEC市場の変化を説明しましたが、その移り変わりの中で展開するYouzanのソーシャルECの特徴について解説していきます。
ソーシャルECとは、その名のとおりSNSやブログなどソーシャルメディアを活用し、商品やサービスを提供するマーケティング手法の一つです。
近年、中国ではソーシャルECが急成長をしており、大手のECプラットフォームよりも運用コストが安く、消費者と直接つながることで売り上げを伸ばせる特徴を持ちます。
モール型ECではユーザーが検索して商品を探すのに対し、ソーシャルECではSNSなどで紹介された「商品を使った生活」のコンテンツを見て購買意欲につながるというものです。
Youzan ECプラットフォームもこの方式で、タオバオTmallなどへ出店するのではなく、店舗オリジナルのECショップを立ち上げて運用するため、高い広告費をかける必要もなく低コストで運営できるのも大きなメリットです。
具体的なYouzanソーシャルECの仕組みは、中国最大のメッセージアプリと言われる「WeChat」と連動してユーザーを誘います。
また、インフルエンサーによるメッセージは、効率よくファンを増やすのに絶大な効果を発揮します。
さらに、多くのキャンペーンの実施やクーポン配布などでリピーターも掴みます。
このようにYouzanソーシャルECは、モール型のように公域流量で来客を待つのではなく、持続的にリーチできる私域流量を狙って、確実にコンバージョンを獲得することができます。

まとめ

中国の従来型のECとYouzanソーシャルECの相違点について解説しました。
中国におけるユーザーのニーズや市場動向の変化より、今後もソーシャルECは伸び続けることが想定されています。
「中国ECでビジネスに参入したい」とお考えの企業の方は、是非一度Youzan Japanにご相談ください。
中国市場を熟知した経験豊富なアドバイザーが、御社の海外進出を全面サポートいたします。

Youzan Japanは、
中国最大のSNS WeChatと連動したECサイトを活用することで、
本気で中国進出を目指す企業様のパートナーとして、
中国市場でのターゲティング、テストマーケティングをフルサポートします!

記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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