“地域社会に根付いたコミュニティを作る、というのは、簡単といえば簡単だが、難しいといえば難しいことです。ポイントとなるのは、「オフラインでの供給・流通」と「オンラインでの処理・プロモーション」の融合です”

今年は、新型コロナウイルス拡大の影響により効率的に資金回収を考え、将来への不安に対して備え始めている事業者が増えています。人の集まる地域にお店を構えるのは、手っ取り早く簡単に物を売る方法であり、成功への近道といえるでしょう。

武漢にある「熊猫仓(日本名:トップウェル株式会社 以下日本語名は省略)」は、ビジネスチャンスを掴んだ企業の一つです。 たった4人のオンラインチームで、「コミュニティ共同購入+グループアンケート」機能を有効に活用することで、実店舗があるにも拘らず、月の売上を急速に数百万元まで伸ばしました。

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今もし、あなたが武漢に行って「熊猫仓」について尋ねれば、誰でも耳にしたことがあると答えるでしょう。そして、ほとんどの人はオフラインで彼らの商品を購入していました。今年の3月までは。

しかし、それからわずか数十日が経つと、たったの4人しかいないオンラインチームが運営する「熊猫仓」オンラインストアが急速に周辺地区でブレイク、オンラインでの業績が大幅に増加したのです。 武漢では年始めから広まった新型コロナウイルスの影響により、多くの店舗や、ブランドが甚大な被害を受けました。

武漢の企業は、ウイルスの収束後は安定第一を方針として動きも鈍化していました。そんな状況のなかで「熊猫仓」は、特に感染病の影響を受けずに頭角を現してきたように見えるのはなぜでしょうか。

「熊猫仓」オフライン店舗

もともと、「熊猫仓」は保利不動産傘下のライフスタイルサービスプラットフォームで、その業務は中国全土をカバーしていました。

今日は、武漢における「熊猫仓」のビジネス体験についてお話します。

ウイルス発生後、「熊猫仓」のチームは、運用に力を入れ、多くのリターンを得ました。

  1. コミュニティストアは地域の人との距離が近いため、顧客との対面率が高く、コンバージョンを向上することが比較的容易であった。
  2. 一般的に主な生鮮百貨店は、全ての店舗面積はそれほど広く必要としないため、家賃コストも思った以上に高くはないと分かった。
  3. 家政サービスや大手有名家電製品の特価キャンペーンへ試しに参入するだけでなく、業務ラインを拡大し、顧客単価が高くないと言う問題を解決した。

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シンプルなことを恐れない

 

~コミュニティ共同購入で数千件の注文を販売~


地域社会に根付いたコミュニティストアを作る、

シンプルといえばシンプルで、難解といえば難解ではあります。

上手くいくポイントは、「オフラインでの供給/配送」「オンラインによる処理/注文」といったベクトルの違う要素を上手く調整することにあります。

実は、2018年の早い段階で、武漢の「熊猫仓」は、有名アパレルブランド「Rebecca」推薦のもと、YOUZANにてオンラインとオフラインの同期運用を可能にしました。

「熊猫仓」のオンラインショップ

オフラインでの供給・流通については、当初、チームは、コスト削減のために、店舗でのセルフピックアップと組み合わせて、コミュニティ内のいくつかの地域の代理店にアプローチし、自社販売での低コスト化につなげることができました。

その後、彼らは、定期的にYOUZANの人気流通市場で商品を選ぶことで、オンラインでも簡単に供給/発送を可能にしました。

こちらでは大量購入が集中しており、店舗の流通業者になることで、気に入った商品を直接自分の店に卸してもらうことができるのです。面倒な配送はなく、さらには追加手数料を得ることもできるのです。

人気流通市場

オンラインでの処理/注文に至っては、チームは、独自のコミュニティストアの利点をさらに活用するために、コミュニティグループ購買モデルの探求を開始しました。

方法1 コミュニティ+ピックアップポイント 共同購入の基礎を築く
  1. 既存のオーナーグループからスタートし、異なるタイプの商品特典を提供し続けた。 低収益の転用モデルに加えて、高収益で高額買取の人気商品を散りばめたことで、人気商品の作成とパフォーマンスの向上という2つの大きな目的をあっという間に達成し、コミュニティの活性化にもつながった。
  2. 周辺の地域に20箇所以上のピックアップポイントを設置し、消費者が気軽に、自由に好きな場所で商品を手に取ることができるようにすることで、消費者の購入意欲をさらに倍増させた。
荷物受取場所のメリット:
  • デポジット不要で、地区の管理人が利用者に自分で受け取とってもらうことにより、必要な人員が比較的少なく済むため、運営がさらに低コストになる。
  • 時間通りに受け取れない利用者がいたり、顧客数が比較的少ないエリアや、既存のコミュニティ店舗未対応エリアでも配送効率を大幅に改善することができる。
荷物受け取り場所の写真
方法2 クイックプッシュ+安定打、そして正確なチョイス
  1. コミュニティが徐々に活性化してきた後、購買力が強く活動性の高いオーナーを日頃からカウントし、優先的にグループ長になってもらうように打診しました。
  2. 宅配では、世帯数が多い、経済状況が良い、資源のネットワークが広いなどの世帯に対しては、すぐにグループ長の活動ポイントを増やしました。
  3. 毎週もしくは半月ごとに福利キャンペーンを更新したり、もしくは人気商品のキャッシュバック率が高かった場合は、グループ長に対してボーナスを多くすることで、注文の転換率が高くなりました。
店舗コミュニティの共同購入キャンペーン詳細
方法3 限定特設会場で、大型割引キャンペーンを開催
  1. 有名メーカーの家電製品の場合、まずオンラインで「みんなで購入/高額割引券/残高倍増」などのキャンペーンを準備し、顧客ターゲットを絞ります。さらに団地内で特設会場を設置しオフラインでの購入、及び体験してもらい、最終的にはオンラインで取引を成立させています。
  2. 爱逛のライブコマースプログラムのもと、生放送で販促活動を行い、商品紹介の新しい販売方法を開拓しました。
爱逛でのライブ配信の模様
方法4 価値を提供し、信用とブランド認知を向上する

共同購入におけるグループ長の個人番号を運用し、プロパティの利点だけではなく、実際の仕事日記や経験共有ならびに優秀なグループ長を集めて信頼の獲得に力添えをしてもらいました。

同時に、チームとして顧客がさらに快適さを感じてもらえるよう、また長期的にブランド名を知ってもらえるように努力をしました。

店舗スタッフとグループ長の体験談
店舗スタッフとグループ長の体験談

コミュニティ共同購入プログラムを導入後しばらくして、武漢の「熊猫仓」は70箇所以上の周辺地域で市場を開設しました。

店舗は毎週1〜2回の共同購入開催にもかかわらず、売上額は飛躍的に上昇し、3月には数十万元から急速に増加。4月に100万元を越え、5、6月にはその数倍になるなど、飛躍的に売上を伸ばしました。

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親子キャンペーン + コミュニティアンケート

 

~地域に根差した長期的なビジネスのやり方~


百思寒(Baisihan)は、7店舗業績が大きな進歩を遂げた後、「熊猫仓」では、周辺地域で長期的なビジネスを行なうにはどうしたら良いのだろうか?を考えるようになりました。

まず、例えば夏休みのボーイスカウトのような地域密着型の親子活動を定期的に企画して、顧客家族とブランドとの関係を徐々に深めました。この活動では、BBQを楽しむ親子に、オーブンやシンクのような店舗特価商品を勧めることができました。

ショップの最近のオフライン活動

そのほか、エリア顧客の強い人間関係や集団心理を考慮し、コミュニティアンケートと繋げて高品質の単品商品のキャンペーンを行い、再び変化させることでコミュニティ内外での新顧客獲得に繋げました。

最後に、「熊猫仓」チームは、事業のさらなる新規開拓に再び挑戦する準備をしています。先述した商品の特別供給の提供や生活サービスなどのデータをもとに、住居リフォームや資産管理などの新しい分野にも参入していくつもりだ。

近い将来、「熊猫仓」の顧客は、多元化された商品やサービスを統合した、真のワンストップライフスタイルプラットフォームを見ることができるかもしれません。


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記事監修者:聂 宏静(Nie Hongjing)
YouzanJapan CEO補佐 マネージングディレクター

数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新情報の発信を行っています。
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