2022最新の中国ECプラットフォーム企業をランキング形式で紹介
2019年、世界のEC企業トップ5ではAmazonが1位ですが、2位以下は中国企業が続きました。2019年の中国のeコマース取引規模は3億4,810万元に達しており、中国が世界のEC市場をけん引している立場なのは間違いありません。中国のEコマース企業は、今や全世界のEC売上高の半数以上を占めており、2位のアメリカも大きく引き離しています。
近年では、日本でも取り上げられるなど中国のEC市場は有名になっています。
11月11日の独身の日も世界的に注目されており、アリババやJD(京東商城)などの企業やECプラットフォームは日本のワイドショーでも紹介されるまでになりました。
しかし中国のECサイトを運営している企業はアリババやJDだけではありません。有名どころ以外にも若くて勢いのある企業は数多く存在しています。
こちらの記事では越境ECを検討されている企業の担当者や個人で越境ECを検討している方へ向けて、中国のEコマースで売上や集客と共に存在感を示している企業をご紹介します。
目次
1位 アリババ (Alibaba)
アリババは中国だけではなく、世界的なオンラインコマース企業です。設立は1999年で、代表的存在のTaobao、Tmall、Alibaba.comの3つの主要サイトには数億人のユーザーがアクセスしています。また数百万のショップや企業をホストしており、アリババは他のどのeコマース企業よりも多くのビジネスを取り扱っているといえるでしょう。
中国のEC市場に君臨するアリババ(Alibaba)の2019年度の売上高は、3,768.44億元(561.52億ドル/6.41兆円)と驚異的な数字をたたき出しています。前年比では51%増で、更なる成長も見込んでいます。
現在では、オンライン決済のアリペイや、クラウド事業、動画配信サービスなどのデジタルメディア事業も展開し、現在は品揃えを低価格商品に絞ったECアプリ「淘宝(タオバオ)特価版」、ネット出前や生鮮食品のスピード宅配などの生活関連サービスなどにも事業展開に注力しています。
2位 美団大衆点評(MeituanDianping)
当初はいわゆる共同購入型のクーポンサイトとして有名になったMeituan (美団)ですが、現在ではフードデリバリーにおける第一人者的存在の企業です。
Meituan (美団)が共同購入クーポンサイトで名を馳せるようになったのは、中国人の消費者にとって口コミが重要な役割を果たしていたからです。Meituan (美団)のサービスは口コミの閲覧やチケットの購入に特に強みを持っていました。
2013年には Meituan Waimai(美団外売)というデリバリーサービス事業を新規事業としてスタートさせ、2015年10月にはサービス内容で競合するDianping(大衆点評)との合併を果たし、企業名は Meituan Dianping (美団大衆点評/メイトゥアンディエンピン)に変更しました。
美団大衆点評(MeituanDianping)は、Xiaomi(小米/シャオミ) に続いて上場を成功させた中国企業としても有名です。
3位 JD(京東商城)
JD(京東商城)は、中国版LINEと呼ばれる「WeChat」を展開するテンセントグループが運営するECプラットフォームです。
中国のEコマースにおける特徴として、アリババが運営するTmallとJD(京東商城)の売上高だけで中国市場の80%以上のシェアを持つといわれています。
運営規模だけでなく売上や獲得しているユーザー数においても名実ともに中国のトップに位置しています。
2004年に設立されたJD.comは、中国の統合オンライン小売業者であり、中国のeコマースセクターで最も人気があり影響力のあるeコマースサイトの1つです。
JD.comは、2012年に中国の自営B2C市場の49%を占め、現在は中国北部、中国東部、中国南部、中国南西部、中国中部、中国東北部に6つの物流センターを設立し、全国の360を超える都市に中核都市流通ステーションを設立しています。
4位 拼多多(pinduoduo)
拼多多(pinduoduo)は、いわゆる中国版グルーポンとも言われ、共同購入が特徴のECサイトです。
2015年創業でありながら、2018年にはナスダック株式市場での上場もしているという驚異的な成長ストーリーを持ちます。
メインに取り扱っているのは日用品のカテゴリーで、メインのユーザー層も都市部の洗練された層ではなく農村部の消費者などに支持されてきました。
SNSを取り入れた手法のソーシャルECに強みを持ち、後発の企業ながら圧倒的なユーザー獲得に成功した要因の一つでもあります。
拼多多(pinduoduo)の成長は留まるところを知らず、現在では市場価値においてはJD(京東商城)を上回るほどにまでなりました。
2019年度の売上実績は10,066億元(約15兆円/前年比113%)まで伸張し、現在も成長を続けています。
5位 滴滴出行(DiDi)
5位の滴滴出行(DiDi)は、スマートフォンによるタクシーの配車サービスアプリによって従来の配車方法を大きく変えてしまいました。それまでは電話での配車がメインでしたが、モバイルインターネットによってオンラインとオフラインを上手く統合し、市場のシェアを大きく占めるまでになりました。
2016年にはUberの中国支社を買収し、現在では中国の配車サービス市場のシェアをほとんど独占しています。2018年にはシェアサイクルプラットフォームもローンチし、2020年にはソフトバンクから約10億ドルの資金調達にも成功しています。
2019年には自動運転の研究開発、製品アプリケーション、および関連する事業開発にも進出し、自動運転部門を独立した会社としてアップデートしています。
今後、中国のMaaSや自動運転技術の発展に大きく貢献していくと目されており、世界的な注目を集めている企業です。
6位 Ctrip(携程旅行網)
Ctripは、1999年に設立された上海に本社を置くオンラインチケットサービス企業です。
Ctripでは、国内外で60万以上の会員ホテルの予約が可能で、中国でも有数のホテル予約サービスセンターです。
航空券やホテルの予約だけではなく、両替、現地施設のチケットサービス、お土産の購入など旅行に関するサービスをワンストップで受けることができます。
2014年と2017年には、東京と大阪に日本法人を立ち上げるなど日本企業とのビックデータ活用面での連携や日本人人材獲得を視野に入れた展開も見せています。
7位 唯品会(Vipshop)
7位は中国の中産階級以上にサービスを提供する高品質なeコマースプラットフォームである唯品会(Vipshop)です。
唯品会(Vipshop)の主な事業は、ブランドの衣料品、靴とバッグ、美容、ベビー用品の販売です。
中国では、唯品会(Vipshop)は「ブランド割引+期間限定購入+本物の製品保証」という革新的なeコマースモデルを作成した企業として認識されています。
唯品会(Vipshop)は「特別販売に特化したウェブサイト」として位置付けられており、毎日新製品が発売され、消費者にワンストップで商品を提供しています。
質の高い購買体験と「在庫ゼロ」のロジスティクス管理、eコマースとのシームレスな接続を組み合わせることでeコマースの分野で短期間で大きな発展を遂げました。
8位 苏宁易购(Suning.com)
苏宁易购(Suning.com)は、「蘇寧電器」が運営するECプラットフォームです。
蘇寧電器は中国の南京にて1990年に設立され、伝統的な家電製品、デパート販売、日用品、書籍などを広く包括的に取り扱っていました。
さまざまなタイプの販売店を中国本土に13,000店以上持ち 、国内のオフラインネットワークの最前線に位置する企業でもありました。一時期は小売開発の新しいトレンドをリードしており質の高いサービスと利便性の高い購買体験を消費者に提供していました。
日本のラオックスを買収したことでも有名で、元々が家電量販店からスタートしているため一気通貫での商品販売が可能です。オンラインとオフラインとの統合とオムニチャネルに定評があります。
9位 Chahaoduoo Group(車好多集団)
Chahaoduoo Group(車好多集団)は、中古自動車販売のプラットフォーム企業「Guazi(瓜子)」と新車販売のプラットフォーム企業「Maodou(毛豆)」を展開しています。
元々は2015年に中古車のオンライン販売プラットフォームとしてスタートした「Guazi(瓜子)」ですが、2017年にグレードアップしてChahaoduoo Group(車好多集団)が「Guazi(瓜子)」と「Maodou(毛豆)」を保持する親会社となりました。
同社はビッグデータをAIが分析して中古車価格の最適化を図るメカニズムに特化するだけではなく、7日間の返品理由なし、30日間の総合保証、1年または20,000 kmのアフター保証などのアフターフォローを業界で初めて導入しました。
Guazi(瓜子)は、中古車を売買するためのWebポータルを介して消費者間サービスを提供する中国のeコマース企業です。
自動車購入に対する安全で信頼性の高い保証をユーザーに提供することで大きく成長しました。
2017年10月の時点で、深センや広東省など、中国南東部で最も人気のある中古車プラットフォームの1つです。
10位 每日优鲜(Missfresh)
每日优鲜(Missfresh) は、Tencent(騰訊)が支援する、新鮮な野菜、果物、生鮮食品を提供するモバイルeコマースプラットフォームです。
果物と野菜、シーフード、肉類等すべてのカテゴリをカバーしており、主要都市に「都市選別センター+コミュニティ流通センター」コールドチェーンロジスティクスシステムを確立してユーザーにグローバルな生鮮食品を提供しています。
2014年の設立以来16億米ドル以上を調達し、2021年にはIPOの申請を行っています。
まとめ
14億人の消費者を擁する中国のECプラットフォームは世界の半数を占める超巨大市場です。そのEコマースにおいてトップ10に名を連なる企業は巨大で華やかに見えますが、その背後には残酷な競争力と変化する市場の混乱が常に付きまとっています。来年にはランキングの順位も変化していることでしょう。
新型コロナウイルスの影響は依然強く残っています。
現在もまだ日本へ旅行しての商品購入ができないような状態が世界中で続いています。
インバウンド需要の回復が見込めない今、ECに移行している日本企業も見受けられます。越境ECに活路を見い出すことで、商品販売の拡大や新規顧客の獲得を検討する必要があるかもしれません。